2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

鰯焼く

2021年 2月 秋高し海や空には人間(ひと)住めず 散り紅葉無駄な人生などあらず 柊に挿したき病鰯焼く 感想 コロナ禍は依然としてはびこる世 海や空にはこのウィルスは蔓延しているのかどうか? 健康な自然の中で生きたいけれど 海の中、空では人間は住めな…

天高し

2021年 1月 裸木や一人で生きし母の貌 天高し「千年の釘」持す古刹 (薬師寺) 感想 コロナか相変わらずの2021年2020年当初よりも 随分、解明され、感染者も少し下火になったりまた増えたりと そんな中、コロナ当初怖くて、母の家に逃げ込むも 夫が家に戻っ…

都わすれ

2021年 1月 新年 煌めきし青き柚子柚子雨あがる 端つこに都わすれや大手水 神無月スローライフへ淡海ゆく 感想 2020年の11月頃、コロナが少し下火になったので 旧知のソフトボール仲間と 滋賀県の寿長生(すない)の郷に行った kanou.com 和菓子屋、匠壽庵が…

落葉踏む

2020年 12月 ☆ 病窓の大阪平野月明るし わが秋思縫うごと星を眺めをり 落葉踏む病を持てる喜びも 感想 2020年のコロナ禍の五里霧中の頃の事は思い出すのもつらいのだが 一応、自分史の一部でもあるので記録しておこうと ♡✧♡✧♡✧ とうとう、心を病んでしまった…

嚏 (くさめ)

2020年 12月 裸木や何も持たざる幸せも 手袋をかがり今生捨てきれず 少し迷惑大き嚏の人と居て 感想 2020年は我家の最大のピンチだった・・・ 人間は健康が一番大事だと悟った 健康があれば、何もいらないとさえ思った あと、豊かな心と支え合う人が居れば …

軽鳧の子 (かるのこ)

2020年 11月 コロナ禍の夏のチェンジオブライフ (更年期障害) 軽鳧の子の三密の叢楽しさう コロナウィルスの忖度のなき世月美しき 感想 2020年から3年程経過した今もだがコロナ禍は続く・・・ この初年度の猛威が世界を震撼させるとは思わずにの記録めいて…

小鳥来る

2020年 11月 世界地図などなくて小鳥来る 水澄むやコロナ禍の世に飽き飽きと パン種の膨らみきれず木の実落ち 感想・・・ 2023年新年より ひょんな事から以前作句した俳句を自分なりにまとめることにしたのだ 2020年にコロナ禍となり異常な世の中であったこ…

檸檬の花

2020年 8月☆ 母眠り檸檬の花の匂ひくる 月見草大草原は銀河めく 死ぬるとき紫雲英田浅く目を瞑り 感想 コロナ禍はひどくなるばかりの2020年5月 夫は単身赴任で母は老いて弱っている それでも、コロナが怖くて 母の下へ逃げてきた 母は昼寝をしていた 外から…

時計草

2020年 8月 コロナ禍におつとりと咲く山桜 空に浮く鯉の大鱗五月尽 時計草今コロナ禍の真っ只中 感想 コロナ禍となり世間は大顕わ・・・ 世間はコロナウィルスに怯え 情報にふりまわされていた そんな中・・・ 山桜は 薄紅の花を他の桜よりも おっとりと 我…

髪洗ふ

2020年 7月 汐溜匂ひ夕陽や髪洗ふ 魚好きの青年戻り周防の夏 パソコンの中に集へり春の宴 感想 夫の里の山口県の海の見える宿舎に泊まった 夕陽の海が綺麗で お風呂もとても景色が良い・・・ 海の潮だまりの匂いと夕陽の絶景 ひととき、髪を洗う・・・ 海の…

春の雷

2020年7月 啓蟄や現代人の目の曇り グローバル社会の亀裂春の雷 臆病と癇癪を飼ふ朧の夜 感想 春になったのに・・・ 2020年春はコロナ禍の始まりだった、今思うと・・・ 現代人はスマートホンに新しい情報を求め 正しい情報を得難くなっていた 時代の脆弱さ…

ミモザ

2020年 6月 ☆ 流行風邪恐れ母ゐる匂ひかな ミモザ抱きフラワーデモへ咲(わら)ふ女 海を道広ごる匂ひキビナマコ(周防灘) 感想 2020年のコロナ禍の始まりだった・・・今は2023年 この年は・・・ 夫はインドネシア単身赴任中・・・ 母は老いて半分病気のよ…

春の闇

2020年 6月 曼荼羅や五色椿の花の貌 目を開く流行病ぞ春の闇 春満月「星の王子(様)」の話など 感想 奈良百毫寺の五色椿を見に行った 五色のいろいろな色や柄の花びらをつけた 椿が一本の木に咲く不思議・・・ まるで、曼荼羅のように見えた・・・ 仏の世界…

戎さん

2020年 4月 農園に二人の居場所冬りんご 戎さん巫女踊りだす午の刻 女てふ性捨てきれぬ雪女 感想 長野県に住んでいた頃 秋より露地に林檎が売り出される 家族で一年手塩にかけて育てたりんごを 家族が売っている 老夫婦もリンゴ園の陰でお茶を飲みながら 気…

釿始式(ちょうのはじめしき)

2020年 4月 暁紅や蛇めく三輪山(みわ)の白椿 山頭火見しか釿始式(ちょうのはじめしき)※ 防府天満宮 春霞俯瞰したきよ吾人生 感想 早朝三輪山方面に向かう途中 山影から朝日が出ようとしていた 山影に一匹の赤い蛇が 稜線に現れる 椿には今朝の新しい白椿が…

年詰まる

2020年 3月 叺(かます)より湯気立つ藍や年詰まる いにしえのため池に湯気元朝来 花園にスクラムの湯気雑煮の香 感想 藍を収穫し藍色に布を染めている様子をテレビで見た 寒い冬に 叺から藍を茹でる様子に 年末仕事の忙しさを感じる 藍色は新しい匂いがする…

山笑ふ

2020年 3月 切れ凧や嘗て繋がり母と吾は 「楽園にて」聴こゆる心地寒満月 山笑ふ軍事飛行機UFOめく 感想 凧が空高くあがる、ふいに 糸が切れて、凧はあらぬ方向へ 飛んでいった・・・ 子供も成長し、親の手元を離れていく 親は嘗ては幼き子を守り愛情深く育…

ハリハリ鍋

2020年 2月 お題 父 父と食ぶハリハリ鍋のコロを食ぶ 父危篤6千キロを眼下海霧 感想 我家では冬になると父の好物の ハリハリ鍋が出てくる 父が仕切る鍋だ 鯨の皮を「コロ」と関西では言う 特別美味しいわけではないが・・ 水菜とこのくじらの皮を甘辛く焚い…

蔦紅葉

2020年 2月 ★ 薬師寺に東西分かつ秋の天 蔦紅葉唐招提寺へと土塀 大鴟尾に鳳凰の如寒烏 感想 吟行が薬師寺・唐招提寺にてあった・・・ 近くにお住まいの仲間の提案だった 遠くから貴子先生もいらして下さった 秋の薬師寺は丁度、西塔も完成し 東西の塔がバラ…

小鳥来る

2020年 2月 宗易のやうに落葉を掃く古刹 柊の花の新し掃き難し 聞香や沓脱石に小鳥来る 感想 冬に月釜を掛けるお手伝いに行った 私は庭のお掃除係になり 南宗寺の千家の慰霊塔頭と津田家と紹鷗さんの墓の 辺りを掃く、利休椿の白が輝き落ち椿もあり 利休さん…

花梯梧 (はなでいご)

現代俳句年間 投句 (2020年 2021年) 沖縄(うちなー)の血潮の雫花梯梧 焚火の輪五郎金時芋(ごろうきんとき)こぼこぼす 感想 夏は戦争考える季節となる 沖縄戦の話、原爆の落ちた話・・・ 沖縄戦の話を伺い・・・ 花梯梧の花びらは・・・ 地中に眠る人々…

秋熟睡 (あきうまい)

2020年 1月 ☆ YouTube悩み占ひ夜長かな 夢枕「喝」に目覚めて秋熟睡 沈没船のやうな日本や台風過 感想 YouTube を頻繁にみるようになった それも「タロット占い」を毎日見ていた 老いについてだと思う 自身も老いるが親も老いる 藁おも縋る思いだったのだろ…

寒雷

2020年(令和2年) 1月 寒雷や元興寺(がごぜ)に一鬼現るる ラグビーに先手先手も後手後手も コーランや金星受くる皿の月 感想 2020年となった・・・私にとって不穏な年のはじまりだった・・・ 奈良の元興寺(がごぜ)に行った 途中、寒雷が響いた・・・雨…

木の根明く

2019年 12月 お題 飛 飛火野の凹み凹みに鹿大暑 第56回現代俳句全国大会 投句 気生根噴き山毛欅の杜にて木の根明く 感想 夏の大暑・・・鹿も参っている 風の通る窪みに鹿が鹿鹿が・・・陣取って 涼んでいる、動こうとしない・・・ 奈良公園では 夏に見られ…

豇豆飯(ささげめし)

2019年 12月 ☆ 「おしん」見て豇豆飯(ささげめし)食ぶ夫の家 木の葉掃く化かされぬやう窯の守 山野辺の陸稲鐘声かけめぐり 感想 お盆に「おしん」の再放送がやっていた 夫の実家の朝のご飯に豇豆飯(ささげめし)が 出た。亡きお父様の好物であったそうだ …

神の旅

2019年 12月 月読神(つきよみ)もシバ神もゆく神の旅 石瓦色めく古城虫すだく(丸岡城) 磔刑の臓器提供めく鮟鱇 感想 「神の旅」=全国の八百万の神々が出雲に集まるため 十月一日に神々が旅立つ と季語歳にはあった 日本の神もインドの神も世界の神ももし…

西日

2019年 11月 円窓の曼荼羅めひて散紅葉 姫の絵の薬袋(やくたい)購(あが)ひ西日かな 夫の家の鉄砲百合と差向ひ 感想 當麻寺に行った 2畳中板台目切・本勝手客座下座洞床・石州好み の円窓のお茶室「知足庵」も見学したかったからだ 入口の門には仁王さん…

真葛原

2019年 11月 子の無きは彷徨ひ眠る真葛原 毒を吐く狸のやうな蚊遣豚 鳥帰る漢はいつも旅烏 感想 子供に恵まれずここまで来た やはり、女性に生まれたら子宝に 恵まれるのが普通と思っていた が、神様にはいろいろな計らいがあって 私には子宝が無かった 子が…

めめん太郎(ミミズの方言)

2019年 10月 お題 土 兜太逝きめめん太郎の鳴く荒土 夕端居三和土の凹に猫家族 感想 「めめん太郎」とはミミズの方言だ 兜太の生誕地ではそう言ったのだろうか 炭鉱の街に生まれた兜太 地中では兜太恋しやと ミミズは鳴いてはいないかと・・・ 町家の三和土…

青水無月

2019年 9月 青水無月黄檗山寺の僧の沙婆 潜水す父も熱帯魚も碧し 宮島の紅葉の便り書置きに 感想 水も滴る梅雨の時期 黄檗山万福寺の僧侶達の 唐なまりのお経が響く きっと沙婆場なんだろうと思う サウジアラビアに仕事に行った父 休暇は紅海に釣りに行った…